「どうして、うちの子だけ……」
支援センターへ行っても、娘はずっと私の抱っこ。
楽しそうに遊ぶ子どもたちを見ながら、私は何度も不安になりました。
「ママがいい!」と泣いて離れない。
場所見知りが強くて、新しい場所では動けない。
そんな子どもの姿に、「このままで大丈夫かな」と悩む毎日でした。
でも今ならわかります。
「ママがいい」は、甘えではありません。
子どもにとって、“ここなら安心できる”という大切な心のサインです。
場所見知りな子どもは、怖がっているだけではなく、周りを一生懸命見て、自分なりに安心できるか確かめています。
この記事では、「ママがいい!」と泣いていた娘が、4歳で少しずつ変わっていった姿と、場所見知りな子どもの気持ちについてお話しします。
世界が広すぎた娘と、ずっと手を繋いでいた3年間

外へ出れば、他の子は楽しそうに遊具へ駆け寄っていく。
なのに、娘はずっと私の抱っこ
床に降ろそうとすると、ぎゅっと服を掴んで泣いてしまう。
「少しは一人で遊んでおいでよ」「せっかく来たんだから」 そんな言葉が喉まで出かかっては、娘の不安そうな顔を見て飲み込む。そんな3年間でした。
「慎重派」という才能。大勢の公園に馴染めなかった娘の守り方
公園に行けば、誰かが笑い、誰かが泣き、砂場ではおもちゃの貸し借りが始まる。
大人には日常の風景ですが、慎重な娘にとっては、そこは予測不能な出来事が次々と起こる「未知の惑星」のような場所だったのでしょう。
以前の私は、他の子と比べては焦り、「だったら二人で家にいようか」と何度も思いました。
でも、本当は私だって外に出て人と話がしたい、家に二人きりで娘と向き合う時間が長すぎて苦しかった。
「私のキャパが狭いせい?」「保育士だったのに、どうしてもっと楽しく子育てできないの?」 夜、眠る娘の横で、自分を責めてばかりいました。
<ママの心を軽くするヒント>
もし今、同じように自分を責めているママがいたら、これだけは覚えておいてください。
- 「家にいた方が楽」と感じるのは、逃げではありません。
ママも子どもも、“安心できる場所”を求めているだけなんです。 - 抱っこは、子どもにとって大切な「安心できる席」です。
ママの腕の中から、周りにどんな人がいるのか、どんな場所なのかを、一生懸命見ています。
何もしていないように見えても、子どもなりにちゃんと外の世界を感じている途中なんです。

頭ではママが一番いいよね、と思ってはいたけどいざ自分ごとになると、イライラしたり思うようにいかなかった。保育士時代の感覚とは全く違う、子育ての難しさを痛感したなぁ。親になってから保育士をするとまた違う保育ができそう!と少しワクワクしたよ。
支援センターの隅っこが私たちの「特等席」
3年間、数え切れないほど支援センターに足を運びました。
それでも、娘が声を出して笑い、自分からおもちゃに手を伸ばすようになるまでは、本当に、本当に長い時間がかかりました。
私たちの定位置は、いつも部屋の隅っこ。
賑やかな中央のサークルには入れず、ただ私の膝の上で、他のお友達が遊ぶ姿をじっと見つめる日々。
「ちゃんと参加させなきゃ」「お友達と遊ばせなきゃ」 以前の私は、焦りから娘の背中を無理に押そうとしていました。でも、ある時気づいたんです。娘は“何もしていない”わけじゃなかった。
娘は、ずっと世界を「観察」していたんです。 お友達がどう遊ぶのか、先生はどんな声をかけるのか。小さな体で、一生懸命に。
<今日からできる「寄り添い」プラン>
無理に輪に入れようとせず、「実況中継」をしてみてください。
1.子どもの視線の先にあるものを、優しい声で言葉にする。
2.「あ、赤いボールが転がったね」「あのお友達、楽しそうだね」
3.ママが隣で同じ景色を眺めるだけで、子どもの「不安」は「興味」へと少しずつ形を変えて行きます。
あの隅っこは、娘にとっての「観察席」であり、私にとっても「娘の心を守る最前線」でした。
ママの心が折れそうな時一番に守るべきは「心の余裕」
正直に白状します。
保育士というキャリアがあっても、自分の子育ては苦戦の連続でした。
知識があるからこそ、「本来ならこうあるべき」という理想と、目の前で泣きじゃくる現実のギャップに、心がボロボロになることもありました。
泣きながら「ママ!」と追いかけてくる、トイレへ行こうとするとドアの前で泣く。
「ちゃんと向き合わなきゃ」「もっと優しくしなきゃ」そう思えば思うほど、苦しくなってしまうこともありました。
でも、そんな時に一番大切なのは、“ちゃんとした子育て”をすることではありません。
<パパママの心を守る3つの行動>
「ちゃんとしなきゃ」を少し休む
元保育士だから。しっかりしたママだから。
そんなふうに、自分に厳しくしすぎなくて大丈夫です。
つらい時は「今ちょっとしんどい」と周りに頼っていいんです。
イライラしてしまう自分を責めない
毎日ずっと子どもと向き合っていると、イライラしてしまう日もあります。
でも、それはダメなことではありません。
それだけ毎日、一生懸命頑張っている証拠です。
どうしてもつらい時は、少しだけ離れて深呼吸
限界だと感じた時は、安全を確認して、少しだけ子どもと距離を取っても大丈夫。
隣の部屋で深呼吸するだけでも、気持ちが少し落ち着くことがあります。
まずは、ママが元気でいることが一番大切なんです。
大事なのは、パパやママの心が壊れないことです。
年少さんで開いた扉。少しずつ「外の世界」が好きになるまで
そんな「ずっと抱っこじゃないとダメだった」娘にも、少しずつ変化が見え始めました。
そのきっかけは、幼稚園でした。
ママと離れて過ごす毎日は、娘にとって初めての大きな挑戦だったと思います。
知らない先生。
知らないお友達。
今までとは違う場所と生活。
最初は不安でいっぱいだったはずです。
でも、毎日少しずつ「幼稚園ってどんな場所なんだろう」と、自分の目で見て、感じて、確かめていたのでしょう。
それまで“ママだけ”だった安心できる世界が、少しずつ広がり始めた瞬間でした。

幼稚園という小さな社会へ送り出した時、これからは園の先生方も一緒に子どもを見ていけるんだと思ったら心強かった。
幼稚園という「小さな社会」が教えてくれたママ以外の”安心できる人”
入園したばかりの頃の娘は、やっぱり緊張していました。
表情もかたく、先生に話しかけられても小さな声しか出ない。
楽しそうに遊ぶお友達の中へ、自分から入っていくこともできませんでした。
「大丈夫かな…」私は毎日そんな気持ちで娘を見送っていました。
でも、年少さんの後半になった頃、少しずつ変化が出てきたんです。
「今日ね、先生がね」「〇〇くんお休みだったよ」「お友達とこんなことしたよ」
幼稚園での出来事を、自分から話してくれるようになりました。
無理に話させようとしない先生。娘のペースを待ってくれるお友達。
そんな毎日の中で、娘は少しずつ、「ここにいても大丈夫なんだ」と思えるようになっていきました。
子どもは、無理に変えようとして変わるものではないのです。
「ここなら安心できる」そう感じられる場所に出会った時、自分から少しずつ動き始めるのです。
4歳の今も「大勢」は苦手。でもそれが娘の「個性」

年中さんになった4歳の娘。
今でも、大勢の輪の中へすぐ入っていくのは得意ではありません。
初めての場所では、まず少し離れたところから周りを見ています。
楽しそうに遊ぶ子どもたちを見ながら、自分の中で「大丈夫かな」「やってみようかな」と気持ちを確かめているようです。
でも、以前とは大きく変わったことがあります。
娘は今、「あとで行く」「今は見てる」と、自分の気持ちを言えるようになりました。
無理に頑張るのではなく、自分のタイミングを待てるようになったんです。
私はずっと、“早く慣れさせなきゃ”“もっと自分から輪に入れるようになってほしい”と思っていました。
でも今ならわかります。
娘は弱かったわけじゃない。
ただ、人より少し慎重で、ちゃんと安心してから進みたい子だったんです。
場所見知りだったあの長い3年間も、無駄ではありませんでした。
たくさん見て、感じて、考えてきたからこそ、娘は「自分が安心できる場所」や「自分に合う空気」を、ちゃんと感じ取れるようになっていったのだと思います。
今、幼稚園へ向かう娘の後ろ姿を見るたび、胸がじんわり温かくなります。
あの時、無理に離さなくてよかった。
泣きながら抱っこを求める娘を、「重たいよ〜」と言いながら抱きしめ続けてよかった。
すぐに結果は見えなかったけれど、あの時間はちゃんと娘の安心を育てていたんだと、今は思えます。
まとめ:「ママがいい」は世界で一番安心できる場所がある証拠
今、毎日がしんどくて、先が見えなくて、「これでいいのかな」と不安になっているパパやママへ。
「いつまでこの状態が続くんだろう」
「うちの子だけ、人見知りが強い気がする」
そんなふうに感じてしまう日、ありますよね。
支援センターや公園で、他の子が楽しそうに遊んでいる姿を見ると、どうしても比べてしまう。
そのたびに、「自分の関わり方が悪いのかな」と胸が苦しくなることもあると思います。
でも、まず伝えたいのはここです。
「ママがいい」「パパがいい」と泣くことは、困った行動ではありません。
それは、その子どもが「この人といると安心できる」と強く感じている証拠なんです。
場所見知りが強い子どもは、周りをよく見ています。
すぐに飛び込むのではなく、「ここは大丈夫かな」と何度も確認しながら、自分のペースで世界を理解しています。
だから「ママがいい」と離れられない時間は、子どもが安心をためている、とても大事な時間なんです。
場所見知りがある子どもほど、安心できる場所ができると、ゆっくりでも確実に前へ進んでいきます。
そしてその土台になるのが、パパやママの存在です。
「ママがいい」と泣くのは、甘えではなく信頼です。
「ママがいい」と言える場所があるからこそ、子どもは少しずつ外の世界に挑戦できるようになります。
【今日から心に留めてほしいこと】
・「ママがいい」は、安心できる人がいる証拠
・場所見知りの子どもは、自分のペースで世界を見ているだけ
・成長は早さではなく、安心の積み重ねで進んでいく
今「ママがいい」としがみついている時間は、未来の大きな一歩につながっています。
その時間をまるごと大切にしてあげてくださいね。

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