子どもに食事のマナーはいつから教えるのがいいのでしょうか。
その答えは、「特別な日」ではなく、離乳食が始まり家族と食卓を囲んだその瞬間です。
実はそのときから、自然な形で食事のマナーを教える時間はスタートしています。
「まだ言葉も通じないのに、いつから教えるの?」と驚く方もいるかもしれません。
でも、最初の一口を「おいしいね」と笑顔で伝えることこそが、一生モノの土台になります。
難しく考えず、毎日の中で少しずつ教えることで、子どもはしっかり吸収していきます。
この記事では、元保育士ママとしての知識と経験をもとに、今日からすぐできる方法をお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
- 「いつから完璧にするか」ではなく、「いつから楽しく教えるか」
- 日々の積み重ねが、やがて子どもにとっての一生モノの力になる
子どもに教えておきたい食事のマナーとは?
食事のマナーと聞くと、「お箸を正しく持つ」「ひじをつかない」といった見た目の行儀を思い浮かべる人が多いですよね。
でも、乳幼児の時期にいちばん大切なのは、「食卓というみんなの場所を大切にする、思いやりのある行動」です。
ここからは、これだけは身につけたい7つのポイントをわかりやすく紹介します。
- 「いただきます」「ごちそうさま」の挨拶
当たり前のようですが、とても大切です。食べ物の命をいただくことへの感謝や、作ってくれた人への「ありがとう」を言葉にする習慣です。 - 座って食べる(歩き回らない)
安全に食べるため、そして食事に集中するための基本です。落ち着いて座ることで、味もよく感じられます。 - 口に食べ物が入っているときはしゃべらない
見た目の清潔さだけでなく、のどにつまる事故を防ぐための大切なマナーです。命を守る行動でもあります。 - 食器を大切に扱う(投げない・叩かない)
お皿やコップも大事な道具です。ていねいに扱うことで、「大切にする気持ち」を自然に表せます。 - テレビやスマホを消して、食べ物に集中する
「ながら食べ」をせず、におい・味・食感など五感で食事を楽しみましょう。 - 食べ物で遊びすぎない
小さいうちは感触を楽しむことも学びですが、「知育」の段階を過ぎたら「食べ物は遊ぶものではない」と教えていきます。 - 「おいしいね」「一緒に食べられてうれしいね」と感じられる環境を作る
家族で食べる時間を大切にすることは、とても大事なマナーです。自然に出るあたたかい言葉が、場の空気をよくします。

当たり前のようだけど食事の挨拶ができない大人もいるの。
飲食店で「ごちそうさまでした!」と気持ちの良い挨拶をして帰る方にお店の方は嫌な気はしないもの。
挨拶って大切だなと感じる瞬間だよ。
食事のマナーを伝えるときのポイントはこれ!
マナーを教えるときに、親がやってはいけないことがあります。
それは、「食事の時間を、怒られる時間にしてしまうこと」です。
我が子も、離乳食のころはモリモリ食べてくれず心配になって、「ちゃんと食べて!」「大きくなれないよ」と言ってしまったこともあります。
でも本当は、できることなら否定的なことばは使いたくない。それが本音です。
そこで大事なのは次の3つです。
- 「否定」ではなく「理想」を伝える
「歩いちゃダメ!」ではなく「座って食べると、お腹も心も元気になれるよ」と、ポジティブな言葉に変えてみましょう。 - 「できた!」の瞬間に世界一の拍手を
あいさつができた、一瞬でも座れた。その小さな一歩を見逃さず「かっこいい!今のあいさつで、ママの心もポカポカになったよ」と具体的に褒めちぎります。 - 年齢にあった目標にする
例えば、1歳半なら「スプーンを持とうとするだけでOK」、3歳なら「5分座れたらサイコー」といったように、ハードルを低く設定しましょう。
小さな日々の積み重ねがちゃんと伝わり、力になります。
「食」は心を豊かにする

マナーとは、単なる「ルール」ではありません。
自分をコントロールし、相手を思いやる力になります。
正しく食べられるようになると、外食や友達の家でも子どもが自信をもって食事ができます。
これは将来、子どもを守る大切な力になります。
また、ていねいに食べることで、日常の小さな幸せにも気づけるようになります。
まずは一番身近な大人、親が見本!
「子どもは親の背中を見て育つ」と言いますが、食卓においては特に、親の食べ方や手の動きをよく見ています。
親がスマホを見ながら食べていて「テレビを消しなさい」と言っても、子どもには伝わりません。
むしろ、言っていることとやっていることが違うと子どもは混乱してしまいます。
今日からできることを3つだけ紹介します。
- スマホを食卓に持ち込まない
- 誰よりも先に、「いただきます」と言う
- 「このお野菜、シャキシャキしてておいしいね」と、味の感想を口にする
親が食事を楽しんでいる姿こそが、お子さんにとって世界で一番分かりやすいお手本です。

不思議と目の前にいる大人が食べてるものと同じものを口にしたりするよね。美味しそうに見えて、同じのを食べてみたいと思うもの。見本なれるようにしたいね。
食べ物の大切さを伝えたい
「食べ物を大切に」という言葉は、子どもにとっては抽象的で分かりにくいものです。
だからこそ、イメージしやすい形で伝えましょう。
- 食材の話をする
「このトマトさんね、太陽さんの光をたくさん浴びて、大事に育てられてきたんだよ」と伝えると、身近に感じられます。 - 食べ物の絵本を読む
野菜が育つ過程や、命のつながりがわかる絵本を読み、「食べると命が力になる」ことを伝えます。 - 一口のチャレンジを大褒めする
苦手なものがあったとき、無理強いは禁物です。でも、箸の先で少し舐めただけでも「その一口の勇気、ママは本当にかっこいいと思う!」と、褒めちぎります。
食べ物の絵本を見たり、実際にスーパーで名前を話しながら買い物をしたり。
そんな簡単なことから始めてみましょう。
食事時間は大切なコミュニケーションの場
子どもが成長して一緒に同じものを食べられるようになったら、私はマナーを教えることに重きをおくのではなく「今日あったことを話す楽しい時間」にすることを心がけていました。
何気ない日常の会話「今日は何があった?」「公園で赤い葉っぱ見つけたの」
そんな何気ない会話が、あたたかい空気をつくり、その空気が「この時間を大切にしたい」という気持ちを育てます。
マナーは、人を笑顔にするためのものだと伝えましょう。
【保存版】そのまま使える!場面別「魔法の声掛けフレーズ集」
言葉選びに迷ったときはぜひこの声かけを参考にしてみてください。
1. 食事の準備を始めるとき
×「早く座りなさい!」
○「おいしい準備ができたよ!お椅子が『座って〜』って待ってるよ」
→「椅子」を擬人化することで、子どもの遊び心を刺激します。
2. 挨拶を促すとき
×「いただきますは?」
○「お野菜さんたちに、『これから僕(私)にパワーをください』って言ってみようか」
→挨拶の意味を、子どもに分かりやすい「パワー」という言葉で伝えます。
3. 歩き回りそうになったとき
×「だめ!立たないの!」
○「お尻と椅子を、魔法ののりでピタッとくっつけてみよう。誰が一番長くくっつけられるかな?」
→ゲーム感覚にすることで、ワクワクに変えます。
4. 食べ物で遊び始めたとき
×「食べ物で遊ばないの」
○「ご飯さんが『おいしく食べてほしいな』って泣いてる。どうしよう…」
→「悲しい」という感情を伝えて、思いやりの心を引き出します。
5. 口に物が入ったまましゃべろうとしたとき
×「飲み込んでからにして!」
○「お口の中が空っぽになったら、その楽しいお話の続きを教えてね。お話聞けるの待ってるよ」
→「あなたの話が聞きたい」という肯定的な理由を伝えます。
6. 苦手なものに挑戦するとき
×「一口くらい食べなきゃダメよ」
○「この一口を食べてみようとしたの?!もうびっくり仰天!ママが応援団長になるからね!」
→食べる行為ではなく、挑戦しようとする「心」を褒めます。
7. 食事が終わったとき
×「あーやっと終わったね(ため息)」
○「一緒に食べられて、ママは楽しい時間だったよ。おいしかったね、いろんな話しができたね」
→食事の最後を楽しい時間だったことで終わりにします。これが次の「食事への意欲」になります。

言い方はいろいろあるかもしれないけど、言い換えを頭の片隅に置いておくと子どもへのイライラが減るかも。
私も忙しい時はつい言ってしまいがちだけど、一呼吸おいて言葉を選ぶようにしているよ。
まとめ:マナーは「愛」から始まる一生の習慣
食事のマナーは、ただのしつけではありません。
それは自分と周りの人を大切にするための力であり、やがて子どもの人生を支える一生モノになります。
この食事のマナーは特別なタイミングではなく、「いつから始めるべきか」と悩むよりも、日々の食事の中で自然に教えることが大切です。
私自身、離乳食のころは余裕がありませんでした。
でも今思えば、笑顔で食べさせていた時間そのものが、大切な経験であり、子どもにとっての一生モノの土台だったと感じています。
「いつから教えるべきか」と考えすぎず、できることから少しずつ教えることで、自然と食事のマナーは身についていきます。
まずは「おいしいね」と笑顔で言うことから始めてみましょう。
そして、できたときは一緒に喜びましょう。
マナーはすぐに身につくものではありません。
焦らずゆっくり続けていきましょう。
今日のひとくち、今日の「いただきます」を大切にする積み重ねが、やがて大きな力になります。
その積み重ねが、子どもをやさしく、たくましく育てていきます。
毎日の食卓が、笑顔であふれる時間になりますように。


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