子どもが寝静まった夜、「今日もまた怒りすぎてしまった」と一人で落ち込むことはありませんか。
「さっきは怒鳴ってごめんね」と言いたい。
でも、親が子どもに謝ったら、示しがつかないのではないか。
何でも謝っていたら、言うことを聞かなくなるのではないか。
そんなふうに迷って、言葉を飲み込んでしまうこともあると思います。
でも、親の「ごめんなさい」は、決して逆効果ではありません。
親が間違えたときに謝る姿も、子どもが人との関わり方を学ぶ一つのモデルになるからです。
私は子育てをしていて、子どもは親の言葉だけでなく、親の姿を本当によく見ていると感じます。
娘も、家族が普段使っている言葉をそのまま使ったり、「ママ、〇〇してくれてありがとう」と伝えてくれたりします。
親が何気なく発した言葉を、子どもは思っている以上に聞いているのです。
だから私は、「子どもにこうなってほしい」と思ったときこそ、まず自分はどうしているだろうと考えたいと思っています。
この記事では、親が子どもに「ごめんなさい」と伝えることを、しつけや威厳の問題ではなく、「親がどんな姿を子どもに見せるのか」という視点から考えます。
「ごめんなさい」は逆効果なの?と迷ったときに、親自身の姿を見つめ直すきっかけになればと思います。
親の「ごめんなさい」が逆効果にならない理由
親が子どもに謝ると、「親が弱くなったように見えない?」と思うかもしれません。
私は、そうは思いません。
親だって間違えます。
疲れて余裕がなくなる日もあるし、何度言っても動いてくれない子どもを前に、つい強い口調になることもあります。
あとになって、「ちょっと言いすぎたな」と気づくこともあるでしょう。
そんなときに、「さっきは言いすぎたね。ごめんね」と言えることは、親として恥ずかしいことではありません。
むしろ、自分の間違いを認める姿を子どもに見せることも、親の役割の一つだと思っています。
親の言葉と「ごめんなさい」を子どもはよく聞いている
我が家の娘から、「ママ、〇〇してくれてありがとう」と言われることがあります。
そんな言葉を聞くと嬉しい一方で、「いつの間に、そんな言い方を覚えたんだろう」と思うこともあります。
家族が普段使っている言葉を、そのまま使うこともあります。
あるとき、公園で遊んでいた娘が遊具を見て、
「これは誰が作ったんだろうねぇ、ありがとうだねぇ。」
と言ってきたことがあります。
突然そんなことを話してきた娘に、「どうしてそう思ったの?」と聞いてみました。
「だってこれを作ってくれたから公園で遊べるもんね!」と返事。
ほー!そりゃそうだ!
誰かがしてくれたことに、ありがとうだね、と伝える。
これは小さい頃から続けてきたことです。
まだ言葉の意味を十分に理解していないように見える時期から、「ありがとうだね」と伝えてきました。
子どもは、言葉だけでなく、その言葉が使われる場面まで見ているのだと思います。
親は何気なく話している。
でも、子どもは聞いている。
だから、「ごめんなさい」も同じです。
子どもに「悪いことをしたら謝ろうね」と教えるだけでなく、親自身が間違えたときに「ごめんね」と言う。
その姿を見せることに意味があると思っています。
親の姿と「ごめんなさい」は子どものモデルになる
私は、親は子どもが初めて出会う大人のモデルだと思っています。
子どもに優しくしてほしいなら、親も人に優しくする。
「ありがとう」を言ってほしいなら、親も「ありがとう」と伝える。
失敗したら、「ごめんなさい」と言う。
言葉で教えるだけではなく、親が実際にやってみせる。
それが、子どもにとって身近な学びになるのだと思います。
私自身、親にしてもらって嬉しかったことを今でも覚えています。
父に肩車をしてもらったこと。
家族みんなで海へ出かけて潜ったり貝を探したり。
親と一緒にいろいろな経験ができたこと。
大人になった今も残っているのは、言葉だけではありません。
一緒に過ごした時間や、親の姿も記憶に残っています。
だから私は、子どもに何かを教えるときほど、「私は今、どんな姿を見せているだろう」と考えたいと思っています。
親の「ごめんなさい」が逆効果にならない謝り方

ここで大切なのは、「ごめんなさい」と言えば、それですべて終わるわけではないということです。
たとえば、朝の支度が進まず、親が焦って、「早くして!」と大きな声を出してしまったとします。
落ち着いてから、「さっきは怒鳴ってごめんね」と伝える。
それは大切な一歩です。
でも、そこで終わらず、
「ママも焦って大きな声になっちゃった。びっくりしたよね。」
と伝えることもできます。
そして、「明日はもう少し早く準備を始めようね。」と自分の姿を踏まえて一緒に考える。
大切なのは、謝罪をその場を終わらせるためだけの言葉にしないことです。
もちろん、親は何度も失敗します。
一度謝ったら、もう同じことをしてはいけないという話しではありません。
もしまた怒ってしまたと感じた日がきたら、また同じように言葉にして伝える。
それが大切だと私は思っています。
親の「ごめんなさい」のあと、子どもの気持ちを急がせない
親が謝ったとき、子どもがすぐに「いいよ」と言ってくれるとは限りません。
まだ怒っているかもしれない。
泣いているかもしれない。
何も言いたくないかもしれない。
そんなとき、「ママ謝ったでしょ!」と、すぐに許してもらおうとしなくても大丈夫です。
「怖かったよね」
「嫌だったよね」
と、子どもの気持ちに目を向ける。
話したければ聞く。
話したくなさそうなら、少し待つ。
親が謝ることは、子どもに「もう許してね」と求めることではありません。
自分がしたことを認めることです。
そして、子どもの気持ちが落ち着いたら、またいつもの親子時間に戻っていけばいい。
簡単なことなんだけど、大人になると変な意地が出てきてしまうのよ。
親が「ごめんなさい」したらそのあとは?
親が謝ったから、親がいけない。
子どもの言うことを全部聞かなければいけない。
それは全く違った認識ですよね?
たとえば、
「危ないから道路に飛び出さない」
というルールは変えなくていい。
「おもちゃを片付けてほしい」という親の希望も、そのままでいい。
ただ、
「さっきは大きな声で怒ってごめんね」
と、自分の言い方について謝ることはできます。
「片付けてほしい」と伝えることと、「怒鳴ってしまったことを謝ること」は別です。
親が謝ったからといって、親として伝えたいことまで取り下げる必要はありません。
「これは守ってほしい。でも、ママの言い方はよくなかった」
そう分けて考えていいのです。
私は、子どもとは対等にいたいと思っています。
親の言うことを聞かなければいけない、子どものいうことを聞かなければいけない。
そうではなく個として向き合っていきたいなと思います。
まとめ:親の「ごめんなさい」を逆効果にしないために
子どもに「こうなってほしい」と願うほど、親は自分の言葉や行動を気にしてしまいます。
でも、子育てをしていれば、言いすぎることも、間違えることもあります。
だから私は、親が「ごめんなさい」と伝えることは逆効果ではなく、子どもに見せられる大切な姿の一つだと思っています。
この記事で伝えたかったのは、「正しい謝り方」を覚えることではありません。
親も間違える。
間違えたら、ごめんなさいと伝える。
そして、またやり直す。
そんな姿を子どもに見せていくことです。
「ごめんなさい」が逆効果にならないかと悩むより、親として、子どもにどんな姿を見せたいのかを考えてみる。
完璧な親を目指さなくても大丈夫。
今日、言いすぎてしまったなら、あとから「ごめんね」と伝えればいい。
そこからまた、新しくスタートしていけばいいと思います。
参考|親の「ごめんなさい」と子どもの学びについて
本文では研究を主役にせず、親子の会話や子どもの謝罪について行われた研究を参考情報としてまとめます。
2006年の研究では、親子の会話の中で子どもが謝罪表現に触れ、謝罪を使う経験について検討されています。
また、3~10歳の子どもを持つ483人の親を対象にした研究では、親が子どもに謝罪を教える理由として、責任を引き受けること、相手の気持ちを理解すること、傷つけた相手との関係を修復することなどが挙げられています。
これらは「親が謝れば必ずこう育つ」という意味ではありません。
この記事では、研究結果をそのまま子育てに当てはめるのではなく、私自身が子どもとの毎日のやり取りで感じている、「子どもは親の言葉も姿もよく見ている」という視点を大切にしました。


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